妊娠したら死にたくなった~産褥期精神病~(分冊版)
橘ちなつ
このレビューはネタバレを含みます▼
体外受精でやっと授かった我が子。
幸せいっぱいでその日を迎えたのも束の間、産後2日目でマタニティブルーになり、とても自分を責めて苦しんだ経験があります。
育児は想像以上に大変で、よくある『理想の母親像』と現実とのギャップに悩み、『こんなはずじゃない!』と自分を追い詰めてしまいました。
完璧な母親などいないのに、自分自身が母親像を神格化してしまっていたのだと思います。
私の場合は、幸い1ヶ月程度で落ち着きましたが、産院での助産師さん(三児の母)の心無い言葉が発症のキッカケではありました。
助産師さんの言葉の刃に張り詰めていた何かがプツンと切れてしまい、涙がとまらなくなってしまったんですよね。
産後は本当に大変で、出産を経験した本人ですら想像を超えることばかりです。
患者も人であり、また私も医療従事者の端くれをやっておりますが、現場の方々の言葉1つで患者さんのモチベーションが変わることって多々あると思います。
出産を何度も経験している助産師でさえ、自分の出産育児経験をおごるだけで寄り添えない人も悲しいながら現場にはいるんですよね。
なんだろ、もうこれは知識不足とかではなく人間性なのかな?とも思いますが。笑
まぁ、でもあるあるですよね。
世の中の理解も必要ですが、産科や精神科等の現場の理解ももっと必要です。
この漫画を多くの方が読むことで、少しでも社会全体の理解が深まることを願っています!
描いてくださった先生にエール!を込めて初めてレビューしました。素敵な作品をありがとうございました。
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