新装版 秘め婿【電子限定特装版】
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新装版 秘め婿【電子限定特装版】

芹澤知

強く強く続編希望です!

ネタバレ
2025年9月14日
このレビューはネタバレを含みます▼ 壮大な歴史スペクタクルロマンを、事もなげにサラッと一冊にまとめてしまう…芹澤先生の才能と筆力をあらためて実感できる作品です。

邪馬台国を舞台とした歴史ロマンと、幼馴染みとの美しい恋模様が描かれていて、とにかく面白くて一気読みしました。
旧版を、出版社を変え加筆して新装版として出版されたとのことで、描き下ろし・人物設定資料など特典が豪華です。

舞台は邪馬台国、主人公はヤマト。
少年時代のヤマトは初恋の相手シキを喪い、シキへの想いを断ち切れないまま成長した。
そして、偶然にも死んだはずのシキと再会する。
だが、シキの態度はよそよそしい。
実は、卑弥呼の代替わりにともない、シキは次代卑弥呼を受け継いでいたのであった…
という、ストーリーです。

卑弥呼は1人ではなく相伝で、継承者が男のこともあった…という設定がまず新鮮で面白いです。
歴史上の人物をBL漫画に落とし込むことは非常に難易度が高く、さらに弥生時代まで遡ると時代考証だけでも大変で、巻末の参考図書が15文献にもわたっているところに、この作品に対する芹澤知先生の並々ならぬ情熱を感じます。

装束や卜占、居室の楼観の描写なども時代に忠実で、先生の美しい画力で描かれる古代日本の雰囲気は必見です。

そして、ヤマトとシキの恋模様がこれまた美しい。
初めて結ばれる場面はとにかく美しくて、歴史物としても面白いですがBLとしても満足感高いです。

ただ、あまりにも壮大な物語でとにかく面白いので、1巻完結にしてしまうのはもったいないなあと思ってしまうのも正直な感想で…。

なので、強く強く続編希望です!
壮大なスケールと非常に面白い設定、くわえてキャラも本当に魅力的なので、ヤマトとシキの今後もぜひ読みたいです。

あとがきで、先生も「再スタート」という言葉を使われているので、続編がいつになろうとも楽しみに待ちたいと思います。
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