緑土なす
」のレビュー

緑土なす

みやしろちうこ/user

美しく心癒される世界

ネタバレ
2025年9月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ まず特筆したいのは、作者様の日本語力が素晴らしいことです。漫画やラノベ等、販売されているものでも、敬語の使い方や文章がおかしいために、読む気が失せてしまうことは割とよくあります。ですがこの作品は、文章の組み立ては勿論、言葉の使い方も選び方もとても知的で圧倒されました。普段使わないような言い回しも多数あり、意味や読み方を調べながら読み進めるのも楽しみでした。

統べる国土が豊かで、飢えることなく安全に暮らせるのであれば、無駄な争いは起こらない。民が王に忠誠を捧げるのであれば、王は緑土をなし民草を幸せに導く、というのがこの話のベースです。
王族も臣下たちも、みな純粋に努め、励み、愛し合って過ごし、日々の何気ない出来事を大切にしていて、とても好感が持てました。足弱に対する今世王の愛が凄すぎて、そりゃないんじゃん?と思う酷いシーンもありますが、大きな愛で辛さも手を取り合って乗り越え、幸せに向かって歩んでいきます。

私は植物が好きなので、自然と共にある暮らしという視点からも楽しめました。自分にとって大切なものを再確認することができ、読後嬉しい気持ちに包まれました。最初の方はエロが執拗でちょっと辟易しましたが、そこを気にせず読み進めればフンワリ幸せワールドに辿り着けます。読んで良かったです!
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