NIGHTS BEFORE NIGHT
」のレビュー

NIGHTS BEFORE NIGHT

ナツメカズキ

どんな言葉が相応しいのかわからないほど。

ネタバレ
2025年9月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ 試し読みで惹かれて読んだのですがこちらのお話はスピンオフということで、こちらの話を読んだ後にスピンオフ元の作品を読んだので順番は逆になってしまいましたがそれでも最後まで楽しめました。楽しめたという表現では正しくないように思うほど、簡単な言葉では表現できないのですが、、。
悲しくて、嬉しくて、切なくて、読んでいて苦しくなるようなじんわり温かさが込み上げてくるような色々な感情が詰め込まれた一冊でした。涙なしでは無理です。
11年間ちゃんと眠ることができず、もう会うことの出来ない大切な人のことを夢に見るまで想いながら毎日を生きてきた春。生きててくれてよかった。時雨さんもきっと春のことをすごく愛していたと思います。時雨さんの選択の上に今の春とシロがいる。悲しいことも多かったと思うけど、時雨さんが残してくれたもの教えてくれたことを大事に抱えて、時雨さんのことが大好きな人たちが沢山います。雪鷹と出会えたことも、おかげで春がまた眠れるようになったことも。そんな夜を迎えるまでに春が過ごしてきたたくさんの夜のお話。今までの眠れなかった日々を超えるほど、これからは穏やかに眠れる月日を重ねていけるんだろうなあ。そうであって欲しい。
元々誰かが死ぬお話に弱いのもありますが、悲しさだけじゃなくこんなに読んだ後の余韻がすごいお話はなかなかなくて、かなりやられてます。時雨さんのぶんも、時雨さんとの思い出も一緒に、春やシロや雪鷹たちに幸せが続いてほしいです。読めてよかったですありがとうございました、、!
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