星の降る教室
」のレビュー

星の降る教室

サノアサヒ

こういう心に刺さる秀作が評価されて欲しい

ネタバレ
2025年9月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ 俺はヒロインにはなれません。が衝撃の面白さで作者買いです。
光と影の描き方が秀逸な作者様のストーリーは今作でも健在でした。
孤独な秀才高校生冴島柊星と夜間高校生中卒のホスト27歳降田志津香27歳の変わりたい2人のアオハルラブで
単発でドラマ化レベルです。

どうしてこんなストーリーが思いつくんだろうと、どうしてこんなに心に刺さる言葉が思いつくんだろうと、アサヒ先生は人生2週目なんですか?と思わずにはいられませんでした。
線路に寝転び死のうとする柊星に志津香は
「いじめかいじめじゃないかはまわりが決めることじゃねーから」
「いつからでもなんにでもなれる」
英語のテスト16点の彼が言うとなぞの説得力があるという、オチつきで言いますw
同じ年の子に言われてもきっと説得力はないんだろうし、この人の言うことは信じられるって直観で動物の勘で分かる相手
っていますよね。
不器用に物事にちゃんと向き合える人。
そんな2人が紡ぐ物語がなんともいとおしいという表現がぴったりの物語でした。

物語の終盤の雪のシーンで志津香が柊星に「あんまり走ると転ぞ!」と言うと柊星は「転んだっていいんですだって今!走りたいから!」このセリフがとシーンがホントに好きで、このセリフにすべてが集約されているように思えました。
走りだした柊星、それを追いかける志津香に流れる時間がなんとも美しかった。
光と影、陰と陽のコントラストがぐいぐい胸に刺さる秀作でした。
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