病める惑星より愛をこめて
」のレビュー

病める惑星より愛をこめて

本田

間違いなく神作

ネタバレ
2025年9月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ この世界は「もふもふ」こと特殊臨床慰謝体と共存する世界で、人類の半分は気分障害になっていると言われる、パラレルワールドのような世界
パラレルワールドと描きましたが現実と違っているのはもふもふの存在だけ
多くの人が自分の現状、世界の在り方に絶望を感じ切実に癒しを求めているのは私たちが住む地球と違いないのかも知れません
そんな人類の半分が気分障害になっている世界では、心のSOSを感じていると認知したものに「もふもふ」を送り癒しを提供していました
もふもふしている間は辛い現状を和らげることができ(副作用として語彙力が皆無に)今の現代にとってこれほどいい解決方法があろうか、と少し感動
結局薬などで無理矢理のようにストレスを和らげるよりかは自分にとって最適の「癒し」を見つける方がいいのではないか、と無意識の内に考えさせられました
この作品はそんな「もふもふ」と共存しながら生きる人々のオムニバスのような作品で1話1話本当に考えさせられ、登場人物の切実な願いには涙腺を緩ませずにはいられませんでした、
レビュー数も多いわけではなくマイナー寄りの作品ですがこの圧倒的「見つけてしまった」感
題名の言葉も本当に素敵で「病める惑星より愛を込めて」
これは特殊臨床慰謝体から地球人に向けての言葉なんだろうな、とじーん🥲
とっても深くて1ページ1ページに心動かされ、イラストも味があって大好き🥰
そして1番心に残ったのが1話の、幼い頃弟と共に両親に自●で先立たれ今現在警察官に勤める青年の話
「他人の苦しみは絶対に分からない。苦しみ抜いてそれしか道がないと決めた人に俺の言葉は絶対に届かない」
自●で両親に身勝手に先立たれた青年
そして今現在自●でこの世を儚んでいる人を止める立場にある警察官に就いている青年
こんな役職についてたって両親のような自●を止めることなど、出来ないと始めから分かっていたのに
両親のような自●を止めるために警察官に就いた青年でしたが始めからそれは不可能なことだと、心の内では分かっていたのではないか、と
「自●」という行為は置いてかれた者たちへの気持ちをまるで考えていない行為と思うと共に、そこまで彼ら、彼女らを追い詰めてしまった原因は何であるのかを考えて行かなければならないのではないか
そう「死」について真剣に考えるキッカケになった作品でした!
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