藤子・F・不二雄大全集 大長編ドラえもん
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藤子・F・不二雄大全集 大長編ドラえもん

藤子・F・不二雄

懐かしく古びない子供時代の大冒険

ネタバレ
2025年9月26日
このレビューはネタバレを含みます▼ みんな知ってる大長編ドラですが、パワープッシュになっていたのでレビュー。
子供の頃、『日本誕生』のあたりを映画館で観た記憶があります。テレビで毎年放送されるのが楽しみでした。
前半はすべて名作揃い、知識やアイディアを詰め込んで、とても楽しんで描いていらしたと感じます。
全部は字数の都合上語れませんが、特にお気に入りなのは『大魔境』と『魔界大冒険』です。
SF好きには『鉄人兵団』もたまりません。

『大魔境』は、地球上に残る秘境が犬の国であるという設定にロマンを感じ、クライマックスが少しトリッキーなのも好きです。「そんなのアリ?」とも思うけれど、そんなのをアリとするところが、「大切なこと」を示す、背筋の伸びた児童向け作品であると思うのです。あと、ジャイアンがすごく良かったんですよね。子供らしい弱さも、責任感も、いい意味での「ガキ大将」としての姿を見せてくれました。

『魔界大冒険』は、魔法のファンタジーが好きなので、やっぱり魅力的です。科学道具と魔法との共存が楽しかったですし、こちらもなかなか入り組んだ仕掛けになっていて好きです。魔界での冒険にワクワクしたり、メデューサの活躍ぶりに怯えたり。美夜子さんと別れて走るのび太君の姿に涙を抑えきれなかったり。ピンチを未来の道具「以外のもの」で切り抜けられたところなんかも、コミカルさとヒヤヒヤさで気に入っています。これは映画の演出も特に良かった印象で、メデューサが追いかけてきたシーンや、バンザーイ……じゃない!のシーンが記憶に残っているお仲間も多いのではないでしょうか。

で、この2作品、どちらも出来杉君が登場するんですが。
のび太君たちに知識を分けてくれる賢者的役どころで、冒険には誘ってもらえないんですよね。連れてったげてよ、って思ってました。
いや、出来杉君が参加したら、出来杉君大活躍で主役になっちゃうからダメっていうのはもちろんわかってるんですけど……時々本編で、一緒になって遊んでる時の、あの楽しそうな姿を思うと……魔境とか魔界とか絶対大喜びじゃん……?
ドラえも〜ん、連れてったげてよぉ〜〜〜(泣)
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