私が捨てた男の奴隷になった【タテヨミ】
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私が捨てた男の奴隷になった【タテヨミ】

N.BOB/BIN/Ki Yuhwa

読んでてツライけど…

ネタバレ
2025年9月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ 先ずお伝えしたいのは、このお話は主人公が理不尽且つあまりに悲惨な目に遭い続ける為こちら読み手側のメンタル力が必要とされます。
物語は主に、①没落貴族の主人公ノックス、②元ノックス家の召使いハリド(現ヴィア公爵)、③フェルティオン皇帝陛下の3人で進んでいきます。
主人公ノックスは、裏切りや陰謀の末に処刑される寸前…ある人物、過去に自分の屋敷で召使いとして働き、ある理由からずっと気にかけていた存在であったハリドに命を救われます。けれどハリドはノックスを助けたのではなく、過去に自分に酷い仕打ちの上屋敷から追い出した復讐を果たす為でした。ハリドはノックスの貴族としてのプライドをズタズタに潰し服従させます…が、ノックスを愛しているのが垣間見えます。愛するが故に裏切られ捨てられた事への恨みが憎しみとなっています。けれど、過去にノックスがハリドにそうしたのには理由があり…。
そしてもう1人、フェルティオン皇帝陛下。こちらも過去の事からノックスを恨んでおり、自分の立場とハリドの気持ちを利用してノックスをとことん傷めつけます。それは完全に人の尊厳を欠く行為であり、私的にハリドより皇帝陛下の方が人としての歪みと怖さを感じます。そしてこの皇帝陛下のノックスへの恨みも完全なる誤解の上に成るもの。
ノックスは不運としか言いようがない。本人は至って真面目で誠実。家の事、国のこと、ハリドの事を考えて動いただけ。それが相手に捻じ曲がって伝わり恨みを買い酷い目に遭わされ続ける…。ノックスの精神が完全に崩壊し降伏してしまう時、こちらの精神が抉られます…しばらく引きずります。
彼らが一連の真実に気づくのはいつなのか、事実を知った時どのように思うのか、果たしてノックスが報われる時はやって来るのか。そしてこのお話はどのように着地すればハピエンとなるのか…。
読むのに体力とメンタル力が必要とされますが、最後まで追いたいと思います。
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