転生アラサー女子の異世改活 政略結婚は嫌なので、雑学知識で楽しい改革ライフを決行しちゃいます!
」のレビュー

転生アラサー女子の異世改活 政略結婚は嫌なので、雑学知識で楽しい改革ライフを決行しちゃいます!

清水ゆりか/日野彰/すざく

流行りのハイソサエティ幼女サバイバル漫画

ネタバレ
2025年10月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ 評価低いけど面白い。心にグッとくるシーン多くて、良作だと思う。

アラサー女子が、起きてみたら桃色髪の幼女(4歳)になっていたが、侯爵家のお姫様のはずなのにネグレクト(放置××)だった件。

いまの流行の最先端、2025年秋アニメの「ある日、お姫様になってしまった件」と同じスタートです。
あっちは父親の関心を得るために魅了全振りする面白さがあるけれど、こちらは全ステータス底上げからの脱出ゲーム。
父親の愛情を得られればイージーモードに突入したかもしれないが、父親は父親で事情があるらしく、攻略不可キャラでした。どうして娘を隔離したのか、その謎が明かされないのはモヤっとする。現王家を見限っていて、皇太子妃に選出されないよう娘を隠していたっぽいけれども…、思わせぶりな描写が多くて、もしかしたら父親は人生二周目?一周目のとき娘になにかあって、過去に戻って生きている…?一周目のトラウマが元で、娘と接することができないなら、あの隔離っぷりは腑に落ちる。
そして母親。顔をみせないで!と毛虫のように嫌う理由がわからない。彼女が出産した実子であることは間違いないらしいが…。
歳の近い兄は、次期侯爵になるための勉強漬けで鬱屈しており、まったく勉強していない妹をズルいと妬んで嫌っている。勉強用の机をはじめ、妹の私物が全くない異様さに気がつかない程度には察しが悪い。
書き出すと主人公一家がヤバいので、脱出までの描写のストレスが低評価の理由かな。
1巻終わりでは、両親と兄のもとを離れ、祖父のいる隣国へと旅立つが、別れのシーンが苛烈で痺れた。自分を買い上げる「代金」として小銀貨3枚を父親に手渡すシーン。使用人達が涙を堪え、うつむくなかで、幼い兄の状況を察せられない愚鈍さが垣間見える癇癪が痛々しかった。あのシーンの「お嬢様は孤児となられたのです」は、なくてはならないセリフだった。私だったら「自分の代金を父に払い、困窮する貴族が子を売り払う相場金でもって侯爵家と縁を切ったのです」と冗長なセリフにしてしまった
いいねしたユーザ2人
レビューをシェアしよう!