牢の中で目覚めた悪役令嬢は死にたくない~処刑を回避したら、待っていたのは溺愛でした~(コミック)
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牢の中で目覚めた悪役令嬢は死にたくない~処刑を回避したら、待っていたのは溺愛でした~(コミック)

真夜中しんや/やきいもほくほく

2巻までは星5!それ以降は…ポカーン?!

ネタバレ
2025年10月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ 異世界転生というか異世界の人物との“入れ替わり”物語です。ヒロイン(伯爵令嬢アマリリス:元孤児)は、夢の中と思える状況でいきなり人生の入れ替わりを告げられます。目覚めると「牢獄の中」狼狽えるばかりですが、超絶ポジティブ思考のヒロインは、その環境を有り難いと受け止めます。入れ替わり前は両親の残した借金返済の為、過重労働に耐える日々だった為です。

投獄の理由は、婚約者(第二王子ハーベイ)に横恋慕する未来を見通す少女(シャロン)の殺人未遂容疑です。元々は傲慢で鼻持ちならない態度を貫いていた為、身の回りの世話をすべき人々から総スカンされ、食事は残飯を提供される有り様。しかしヒロインは残飯でも、有り難く頂き、労働なし三食昼寝付きの生活を至福と感じるのでした。

ヒロインはとにかく明るく、率直で、獄中生活を楽しみます。身体が鈍らない様にスクワットをしたり、提供される食事が改善してからは、感謝の手紙を届けたり、周りの印象を塗り変えていきます。特にヒーロー(近衛騎士ユリシーズ:元孤児)はすっかり絆されてしまいます。その周りの人々を魅了していく様がとても素敵。ヒロインの純真さに心洗われます。それに類似の作品にないパターンが、新鮮でもありました。ヒーローがヒロインに惹かれていくラブロマンスが、さあこれからどうなるでしょう?甘いシーンも楽しみです。読者としても期待が盛り上がってしまいます。(2巻まで)

ところが、この矢先、すっかり呆気に取られる展開になります。そもそも異世界物語で、ファンタジー前提なのを充分に理解していましたが、それでも置いて行かれました。主人公ふたりが、わざわざなぜ元孤児なのかもここで分かります。

ポカーンです。うん。分かってますよ~“ご都合主義”は当たり前と、かなり受容出来るつもりでしたが、その許容範囲を超えてくれました。(それでも受容出来る人もいると思いますが)個人的には、ついていけませんでした…。

でも2巻までは、新鮮だし、面白いです。3巻からは突拍子もない展開なので、それがどのくらい突拍子ないのか、逆に楽しめるかもしれません。2巻までは星5です!
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