蒼究の十字架
」のレビュー

蒼究の十字架

大竹直子

作者買いです

2025年10月6日
特攻隊を題材にしたお話は、読後必ずやるせなさでいっぱいになります。出撃する前の晩まで数学の問題を解いていた男の子の話は、切なかったなぁ。きっと実話なんだろうな。「しのぶれど」のあとがきに何故かこの作品へのコメントがあり、作者様は特攻隊の取材をライフワークにされているとありました。だからこんなに短いお話の中に、大事なことをギュッと詰め込めたんだなと思いました。現代では信じられないような思考回路で、当たり前のように感じて考えている様子を見ていると、時代背景や教育が違うというだけでこれほどの差になることが本当に怖いなと思います。私たちは、自分で感じて考えているという認識は捨てなければいけないのかもしれません。「この思考は本当に私なのか?」常に疑っておくのも大切だなと思いました。
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