あなたがわたしにくれたもの
」のレビュー

あなたがわたしにくれたもの

岡藤真依

表紙に惹かれて

ネタバレ
2025年10月14日
このレビューはネタバレを含みます▼ 綴られるストーリーは少しだけイジワルでビターな味付けなのに、児童書の挿絵みたいな甘く優しい絵柄。このアンバランスさが何ともいえない魅力を放っています。ほぼ女性が失恋するお話でしたが変化球として、失恋後寂しくてワンナイトに挑むお話や、結婚がしたくて先の見えない関係を終わらせる(好きだけど振ってしまう)お話もありました。どれも表情やセリフがリアルで、少女漫画では描かれないであろう女性の本音の部分が垣間見えます。かくいう私は、リアルさを語れるほどの経験は無きに等しいのですが、恋愛と縁が無かった私でも、同じ女性として登場人物達に共振している自分を感じました。たぶんこの短編集は、ハピエンの物語の前日譚のようなお話で、主人公の彼女たちは、きっと幸せな未来を掴み取るだろうと思います。ちなみに、エピローグとして2話目の男性視点のお話も収録されています。この本に出てくる男性を見ていて思ったのですが、体は頑丈でも、心は繊細でガラスみたいだなと。その壊れやすい心をプライドという鎧で守っているのかな。
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