このレビューはネタバレを含みます▼
宇田川先生の言う通り「幼稚で旦那に依存している」。私もそういう目で主人公を見ていました。精神科の職員と同じ、あの目で。
主人公の父親と同じに「もういい加減にしてくれ!」という言葉にも共感してました。
いい兆候が見えてきたと思った矢先に再び訪れる悪夢のループ。
「黙らせてあげる。翼ママと一緒に遊ぼう!たかいたかいしてポーンと落としてあげようねぇ」このセリフは心底ゾッとしました。
壊れた主人公がカラスの泣き真似をして、旦那がその様子を見ているシーンは絶望的すぎて忘れられません。
もう望み通り〇なせてやれとも思いました。
しかしまさか女性ホルモンが正体とは。私がいかに無知で精神病に偏見しか持たない心のない人間だということを思い知らされました。
宇田川先生と一緒に「申し訳ない」と頭を下げております。
まぶたが腫れ上がるくらいにずっと泣いて読ませていただきました。
辛い実体験を描いてくださり、本当にありがとうございます。
でもひとつだけ
主人公の周りの人間があまりにもできた人達ばかりだな というところがリアリティに欠けました。父親の「いい加減にしてくれ」発言を含めても、めちゃくちゃ献身的なご家族すぎるなと。
こういう環境ではない産褥期精神病患者は、一体どうなってしまうのだろうか と考えてしまいますね。