52ヘルツの共振【電子限定描き下ろし付き】
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52ヘルツの共振【電子限定描き下ろし付き】

早寝電灯

苦悩の中でも爽やかで優しくて、ほっとする

ネタバレ
2025年10月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ 同作家様の「眩暈はまどいのつがい」でも『紳士的なオメガバース』とレビューさせて頂いたのですが、
こちらの作品もなんとも優しさに溢れた、慎ましやかなオメガバでした。

と言ってももちろん、「本能の暴走」が存在する前提。
自分が自分でコントロール出来なくなることを恥ずかしいと捉え恐怖を感じ、日頃から規則正しく誠実に暮らす受け・白根くん。
自分を律し、理想を掲げ、1人で穏やかに生きようとしてきた白根くんが、
清成くんによって解され、それまで嫌悪感すら持っていた身体共鳴に、安らぎを感じられるようになる様は本当に素敵でした。

学生時代には周囲と自分の温度差や、バース性による悩みなどがあるけれど、2人が真っ直ぐで爽やかで微笑ましい。
ほぼ「ただのクラスメイト」な距離感も絶妙だった。
現在の再会からの流れも、強引さは無く、2人が誠実に向き合って思いやって距離を詰めて行っているのが
全然もどかしくなく、自然です。
2人の心理描写が巧みだからだと思います。
「ほっ」としたときの笑顔なんか、もう最高にぽかぽかします。

『初めてのキス』も『初めてのえっち』も、『初めてのヒートえっち』も、めっっっちゃ優しくて可愛くて、ため息出ましたぁ…。
清成くんが興奮しながら自制するのが、本当に尊い。
しかもその興奮が、フェロモンの作用じゃなくて「好きな人に興奮」しているのがよく分かるので、尚更尊いです!
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