このレビューはネタバレを含みます▼
あれ?読んだことあるなと思ったら多分投稿サイトで引き下げられたやつをブクマしてましたね。
ストーリー的にはありがちかもしれませんが、心理描写や状況展開描写が独特絶妙。
細かい設定はかなりテキトーなんですがそのあたりは軽く読みたい時は丁度いい感じです。
イヴォンのキャラがまたイイ。ありがち無自覚な美貌苦労性設定からひとつ飛び抜けた確固とした個性が感じられます。
オウギュストのじわじわくる執着具合も秀逸です。
そして随所でなんかくすりとする文章なんですよね。
特に地名が…目に入るたびに軽く吹き出して半笑いで読んでしまう。埴輪に取り込まれるって………。
そんなんある……?というじわじわくるおかしみがわりとマジメにサラッと入ってきたりして、いやこの作者様の思考回路、結構おもしろい感じだよね?という何度読み返しても面白いです。
肝心のイヴォンとオウギュストの2人の関係と心理展開も魅力的ですし、エロ場面もちゃんとストーリー展開的に意味があったりちゃんとコミュニケーションになってたり、関係性の展開に伴ったものだったり、盛り上がり描写も上手いです。
攻め執着度が非常に高くヤル気にあふれていてエロ度が高いわりに、状況描写の説明なんかはそれほどしつこくもなく、物語の中で邪魔でもないし。
ただもう少し特に心情的な補足説明が細かいと読者的に満足感はあるかも。この場面でこう思ってた的な…。
中身のポテンシャルに対してボリュームが少ない感じです。
とりあえず投稿サイト引き下げ作は基本的に丸ごと購入しないことにしてるんですが。つい買っちゃいました。
まあほぼ投稿されてたものそのままみたいなので、番外編やおまけ話が加えられて書籍化な感じではないから仕方ないのかな。
どうにかしてweb版として残すとかしたほうが宣伝にもなるしいいと思うんですけど大人の事情なんですかね。
あと、憧れの騎士だったことは、いつか伝わって欲しい。
挿絵がないのが自分的には良かったです。