このレビューはネタバレを含みます▼
大学4年、翔太×舞台俳優、浅川昂輝(本名[昴])
表紙は受けの浅川昂輝です。二面性を表現したように後ろに本名のほうの昴が描かれています。タイトルはTRUE,NAME。幕がおりたら、本当の名前で呼んで……というのが素敵だなぁと思いました。
ストーリーは大学の友人(オタクの女の子)と昂輝の舞台を観劇したところから始まります。BLに沼っている私としては、ラストまで女の子の名前すら出てこなかったことに感服しております。中には女の子が登場することもダメというファンもいますし、BLはほんと特殊なので創り手も大変ですよね。
さてストーリーです。舞台俳優として活躍している昂輝は、仕事の幅がひろがることで、色々なジレンマと向き合い悩み、そしてとても真摯に仕事をしています。
翔太はというと大学4年、周りが焦るなか、なんとなく大学生活をエンジョイし、出張ホストというバイトをするなかで昴に出会います。
はじめての出会いがサラッと流れますが、昴はリピーターとして出張ホストを利用しています。千秋楽のあと、来るはずだったホストの代わりに翔太が派遣されるんです。まさに、ここから運命のはじまり。たたない昴をクタクタにしちゃう翔太がすごい。相手を攻略していくところがホストの仕事ではあるんですが、最後まで丁寧語を崩さない部分に惹かれました。こういうところ大事ですよね。
何度か会ううち、翔太のなかで、昴の仕事への向き合い方に尊敬をいだき、そこから恋へと変わっていきます。ですが、物語の中盤には、翔太が昴のことを浅川昂輝だと知っていたことがバレてしまいます。もちろん、昴に突き放されてしまうんですが、翔太は出張ホストを辞め、自分ときちんと向き合うことを選択するんです。成長物語ですね。
昴のことはSNSで情報を得ていたのですが、ある日、彼が倒れたことを知ります。ストーカーと思われないか?と不安になりながら翔太は家を訪ねます。昴を看病するなかで、ようやくふたりは両想いへ。
で、ここでのやりとりが素敵すぎました。「俺の前で演技なんてしないで」と翔太が語るんですが、セリフがいい!また両想いになったあとに、昴が翔太に会いに来るんですが、ここでのセリフもいいんです。
ぜひ読んでほしい
前回の作品から1ヶ月ちょっとで、出版社かけもちでこのクオリティ。篠崎先生すばらしい。ずっと追いかけたい先生です。ありがとうございました♡