青春賛歌!
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青春賛歌!

波真田かもめ

作者買いです

ネタバレ
2025年10月27日
このレビューはネタバレを含みます▼ 主人公の星朗は目標を掲げたら脇目も振らず猪突猛進!彼女が欲しくて頑張って進学したエリート校は全寮制の男子校だということに入学式で気付く。恋人なんて諦めかけていたある日、寮の裏手にある狸の置物に好きな人の名前を書くと恋が成就するという伝説を聞いて、早速試す星朗。中学で好きだったノゾミちゃんの名前を書いていたら、突如現れたカースト最上位の同級生、神楽坂ノゾムに勘違いされ、付き合うことに。

BLに出てくるDKってやたら大人っぽい子が多いから、星朗を見ていると年相応の幼さ全開で可愛くて癒されます。星朗はめっちゃ良い子なんだけど、それ以上に面白い子で、両親に愛され、学校では目立たずともイジメられたりせず、スクスク育ったんだろうなというのが伝わってきます。
一方で神楽坂の方は、優秀な一族の出来損ないとして両親から疎まれて育ちました。最初は星朗への嫉妬から、からかうつもりで付き合おうと誘ったものの、共に過ごすうちに星朗の優しさに触れ、掛け値なしに自分を評価してくれることが嬉しくて、気持ちに変化が現れます。いろんな出来事を通してお互いを知り、仲が深まる様子が丁寧に描かれていきます。
ちなみに、星朗のルームメイトのカゲロウ君が要所要所でナイスアシストをしてくれるのですが、あまりにも星朗へのサポートが手厚い上に、2人が熟年夫婦のような空気を醸し出していたので、カゲロウは当て馬なのかと勘繰りましたが、最後までそんな素振りは微塵も見せず友情を貫き通していました。最後の方で、普段は前髪で見えないカゲロウの顔が一瞬チラッと見えたのですが、可愛すぎてビビりました。カゲロウのスピンオフが読みたいです。

何気に外せないのは伝説の狸の置物、通称「おタヌキ様」ボロイ麦藁帽に女性の水着らしき物を着用しているところが男子校っぽいなと思いました。鍵となるので登場回数は多いのですが、背景に紛れていようが画面の端で見切れていようが、そのどこを見ているのか定かではないイッちゃってる感じの目が気になりすぎて、大事な場面でもおタヌキ様に目が行ってしまう!星朗と神楽坂が本当の意味で想いが通じ合った時も後ろに居たけれど、画面の全てをかっさらっていました。基本コメディ調で進んでいくので、おタヌキ様がそんなんでも全く話の進行に問題はありませんでした。

とにかくDKらしい可愛い恋が堪能したい時にお勧めです!
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