完璧なムスコ【合本版】
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完璧なムスコ【合本版】

りーるー

え!?すごく面白かったんですけど!

ネタバレ
2025年10月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ え!? なぜレビューが少ない? すごく興味深く読ませていただきました。男3人の話で、智、梶、梶パパのそれぞれ父親に寄せる想いの話です。
わたしは女系家族で育ったので、男の人の考える「父親」っていうのはいまいちピンと来ませんが、このマンガを読んで、男の人の中での「父親像」っていうのはこういうものなのかなと思いました。「完璧なムスコ」ではなく「完璧な父親」。それは自分を映す鏡なんだけど、息子から見たら、果てしなく遠い存在なんでしょうねぇ。まるで手で掴めない星のように。
で、本編ですが、既婚のおじさんしか好きになれない智(かなりニッチ)が、既婚のおじさんでしかも有名な会社社長とお付き合いしてるというところから始まります。このね、おじさん梶パパがね、乙女なおじさんでいいんですよー。乙女で繊細、きゅぴきゅぴしてる。智もおじさん漁りが激しかった時期もあったけど、今では梶パパひとすじ!まるで老体を労るようなご奉仕Hという感じで、心がほんわかします。
しかしある日、梶パパの息子が智のところに現れ、父親と別れてくれと⋯⋯。
ここで、智、梶パパ、梶のそれぞれの父親への思いが鍵になってきて、幼い頃に父を亡くして遺影を見ることもできない智、父親の背中を見て育ったけど褒められたことがなかった梶パパ、父親の期待にそう息子になりたかったのに後継ぎとして求められなかった梶、という三者の姿が浮き彫りになっていくわけです。
まぁ、あとは細かいディテールを本編で読んでいただけたら、と思います!
絵柄は好みが分かれるかなと思いますが、話全体としては綺麗に収まってハートフル、心がぽかぽかするマンガでした!
もっとたくさんの人に読んでいただきたいな。
ところで梶さんがあのまま、ゲイの道に落ちていかなかったのが悔やまれる⋯⋯(笑)
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