【セット版】冷酷参謀の夫婦円満計画※なお、遂行まで十年【イラスト付】
戸瀬つぐみ/yuiNa/天路ゆうつづ
このレビューはネタバレを含みます▼
続巻が出てる作品では珍しく、2巻目のほうが圧倒的に面白かったです。もちろん、一巻目という土台があってこその面白さですが。
一巻の記憶がフワッとしてるので記憶に新しい2巻目についての感想になりますが、一巻は正直ちょっと消化不良で終わったヒロインにまつわるあれこれに関して、2巻目でしっかり描かれていてスッキリする結末を迎えたのが個人的に良かったです。一巻では、殆ど描写ないけど屑だったんだろうな感があったヒロインの叔父について、二巻では結構な掘り下げがあり、実際は悪人ではなく、恐らく〝善い人〟だった、というオチでした。もしこれだけなら私は逆に本作の評価下げてたと思いますが、それだけで終わらなかったのが本当に良かった。ここに詳しくは書きませんが、よく見かける、悪人にも悲しき過去……でやらかした悪行を、仕方なかったのかもしれないと理解されたり赦されたりするのがモヤモヤする人にとっては、いい落とし所の話だったんじゃないかなと思います。ただ残念なのは、全ての黒幕が、その行いを悔いることもなくアッサリ退場してしまったことですね…。マジでこの屑……ってなってた私は、苦しんでから消えて欲しかった〜〜!!って思ってしまいました。コイツらさえいなければ多分叔父はまともだった。あと、叔父たちがクーデター起こそうとしてたのを知っていながら放置した男……この男が普通に赦されたのが正直、なんだかなあ感があり……全く関係のない第三者ならそれでいいんですが、ヒロインのことを大切に想ってるとほざきながらやらかしてるので、ヒロインが問題視せず赦したのが納得いきませんでした。そのせいでヒロインの家族、皆殺しにされたんやぞ。罪ではないので罰することはなくとも、ヒロインから軽蔑されるくらいのバチは当たってほしかった。他にも諸々この男に関することだけなんかヒロインが激甘なのが、浮気女を見てるような気持ちにさせられたので、評価は下げてます。これ、ヒロインが作中でやってたように、例えばヒーローがヒロイン以外の女を庇って、嫉妬するヒロインに物申してたりしてたら読者からバチくそに叩かれてたと思うので、そういう、ヒロインだから許される的なのが苦手な人は要注意かもしれません。この二点以外は本当に良かったです。泣けましたし。叔父関連のやるせなさが涙を誘いました。
これから購入考えてる人は、是非2巻まで買って読んで欲しいですね。
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