大好きな妻だった
」のレビュー

大好きな妻だった

武田登竜門

こんな別れは嫌だ

ネタバレ
2025年10月31日
このレビューはネタバレを含みます▼ いつも仲の良かった夫婦に訪れた妻の病気。残された命の時間を過ごす夫婦のそれぞれの想いを描いたお話。
レビュー件数も多く、評価も高いこの作品。短編で高い評価を受けることはとても難しいので、ずっと気になっていました。読んだ感想としては、賛否両論あるだろうなというのが率直な思いでした。
色々な考え方はあると思いますが、私が昴ならこんな風にして欲しくなかったと思いました。真実を知らないまま千香が亡くなったら、確かにその一瞬はホッとしてしまうでしょう。でも、時間が経てば経つほど、後悔する気がします。大好きだった人との楽しい思い出すらツラく、彼女を好きになったことまでもを悔いて、幸せな最期を迎えてやれなかった自分を責めて、いつまでも前に進めないのではとすら思います。大切な人を失うことは確かに辛いことです。でも、その人との別れが予想より早く来てしまっても、楽しい思い出、素敵な思い出がたくさんあればあるほど、前を向いた時に強くなれる気がするのです。良い昇華は嫌な思い出よりもいい思い出の方がしやすいのではと思います。
最後に千香の本音を知ることが出来て、二人がちゃんと向き合えたのは良かったですが、千香の行動には賛同できません。昴のことを本当に思いやるなら、最後までいつもの千香で一生懸命生きる姿を見せ、一緒に闘って欲しかったです。
いいねしたユーザ1人
レビューをシェアしよう!