情緒欠落系若手起業家×自由奔放な詐欺師




2025年11月2日
10巻完結。若き経営者・和智大介は、朝の電車で駆け込み乗車してきた青年にぶつかられて丁寧に謝罪されます。その夜、和智が経営者仲間の加倉井に連れて行かれたバーのマスターが朝の青年・槙尾ひじりでした。人目を引く美貌に経済や社会情勢の豊富な知識、それをひけらかさない態度に惹かれて和智は店に通い詰めます。そしてついに一夜を共にするのですが、朝目覚めると槙尾は和智の着ていたスーツと財布も一緒に消えていました。情に薄く多くの女性を泣かせてきた和智が、百戦錬磨の詐欺師と知っても槙尾に執着します。悪びれることなくのらりくらりと和智をかわし、身体を重ね、金をもぎ取ってゆく槙尾と振り回される和智、本音なのか嘘なのかの駆け引きの陰にコンゲームと恋愛が上手に絡んでいます。またキャラ立ちした脇役たち、シブい若頭の元彼や紙一重の弁護士、殺し屋、ライバル詐欺師たちが次々と現れ、敵になったり味方になったりの攻防がスリリングで、エロとの緩急が絶妙で飽きさせません。5巻から二人の関係は落ち着いて、謎の多い槙尾の過去と現在とが二人を翻弄します。ここら辺りからはメロドラマ色が強めですが、検事である和智の兄や槙尾の弟分らが新たに登場して中弛みなく展開します。加倉井さんと児玉景のスピンオフは『王様の休日』で読めます。
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くっちゃね さん(女性/-) 総レビュー数:1935件
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