どうせ捨てられるのなら、最後に好きにさせていただきます
」のレビュー

どうせ捨てられるのなら、最後に好きにさせていただきます

セレン/碧貴子/すらだまみ

話の密度が濃い

ネタバレ
2025年11月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ 単行本4冊、全編通して話の密度が凄い濃いのに、メリハリと見せ処が上手くて吸い込まれて最後まで一気に読めました。
特に人物の心理描写に力を入れてる、お得意な作者様なのかなと思います。
個人的に思い入れのある部分などを少し。

1巻ではリュシーによるアニエス奪還後の拘束中、最初にリュシーに抱かれた時に私なら
「ずっとリュシーのこの手と体温が欲しくて焦がれていたのに、敵になってから易々と手に入るなんて…しかも彼女に愛を囁くその口で私にキスして、彼女を抱き締めるその手で私を抱いて、彼女との子を欲しがるそれを私に突っ込むなんて…辛すぎる」
という想いで行為中に泣き出してしまいそうです。
まあそれと同じ意味の下りがアニエス拘束期間中の、「優しくされる度に彼女の顔がちらつく」や最初にリーリエが凸してきた後にリュシーとの行為を拒否するアニエスの泣き顔なんですが。
それまではアニエスも念願のリュシーに求められる事が嬉しくて仕方なくて、身を任せたい気持ちが上回っていたのでしょうね…分かる…

個人的な希望では、アニエスがベランダの手摺りから投身した時に後を追って飛び降りたリュシーのアニエスの手を掴もうとする手の絵が、もっと必死に掴もうとして指を全部かっ開いてる絵だったらもっとリュシーの必死さが伝わってきて良かったのにな、と思いました。
まあ風魔法使って必ず助けられるし軟着陸するつもりという設定だからあの差し伸べた手の絵でも大丈夫だったのかもしれませんが。

物語も面白く、キャラ達も魅力的で、描画の技術も素晴らしく、お値段以上の満足度でした。
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