可愛い義妹が婚約破棄されたらしいので、今から「御礼」に参ります。
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可愛い義妹が婚約破棄されたらしいので、今から「御礼」に参ります。

桜井しおり/春先あみ

新しい切り口のザマァ系

ネタバレ
2025年11月7日
このレビューはネタバレを含みます▼ ヒロインが婚約者である王太子に冤罪で断罪されて婚約破棄なんて話はよくある話。
この作品はそのヒロインが主人公ではなく、その義姉が主人公。
当人ではなく第三者の立場から夫と共に妹に酷い仕打ちをした王子とその取り巻きに、ひいては国王にまで復讐を果たす断罪劇。
妹は兄夫妻に泣きついたわけでもなく、復讐を依頼したわけでもない。
この夫婦が自己判断で勝手に動き出す。女性でありながら剣を軽々と振り回し、王子を拳で殴りつける無双っぷり。

そんな中で興醒めする描写がちょいちょい見受けられる。
例えば世界の異なる技術という扱いで録音機の開発に勤しんでる中になぜか小型のカメラは既に存在し、カメラは開発済みだったとしても世に普及しているとは言えない世界観でありながら撮影した「写真」という存在が一般人に驚かれる事無く受け入れられている。
発信機とその追跡装置にいたってはもはや液晶画面すら備えた現代機器。

他にも王子を誘惑し、その他複数の貴族子息をも傀儡にした悪役令嬢。
なぜかパーティードレスのまま室内となんら変わらない姿で他人の敷地に不法侵入したり、街中どころか平民の居住区を闊歩していても誰も疑問に思わない。
外出着とか帽子とかないの?着の身着のまま家を飛び出して徘徊してるの?

最終的に妹は心の傷を乗り越え自立の道を歩き始め、王子達は投獄人生を歩み貴族子息達は労働施設送り、夫婦は子宝に恵まれハッピーエンドっていう。
うまいこと広げた風呂敷は畳めているけれど、主人公はあくまで被害者ではなく望まれたわけでもない代理鉄拳。
免罪符片手に夫婦でピンチに追い込まれる事もなく、ずっと俺のターンで国を滅ぼし建国までと痛快無双するだけのお話。
一番の被害者が加害者らの行く末を知る事もなくザマァすることがない。
真新しさはあったけど、面白さとしてはいまひとつ。
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