拈華を待っていた 【電子限定特典付き】
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拈華を待っていた 【電子限定特典付き】

吾瀬わぎもこ

悲しみを癒すためには

ネタバレ
2025年11月8日
このレビューはネタバレを含みます▼ 寄り添い一緒に悼んでくれる人が必要。
秘めた恋が絡んだ死の受容には時間がかかるけれど、新たな希望が持てれば…
そんな感じかな。

わぎもこ先生の絵は、どこかノスタルジックで、華奢で女性的なキャラはおらず、リアリティがあって好き。
今回も、悲しみに沈められているのに、泣けないイサナが泣いたとき、田邊が支えるとき、泣いたな。イサナの頑なな心が溶けていく感情の流れが臨場感をもって感じられた。先生、秀逸です✨

やはり、タイトルは拈華微笑からなんですね。以心伝心、お釈迦様の心を受け取った迦葉菩薩の話。
何見てもそこに真理や悟がある気づきを受け取った迦葉菩薩。素直で真っ直ぐだったのだろう。さすが、教団を率いるカリスマだ。
なんだか、田邊の明るさと善人さ、優しさはリンクするな。

イサナの凍土を溶かした田邊。
ストーリーも重厚で骨格がきちんとあって、素敵なお話でした。
勿論ね、エチぃですよ(笑)でも、なんだろ、ただエロいとかじゃないんだよな。
営み、心情に繋がれる営みにセッ○スがあるんだよな。

女性を抱けなくなったイサナ(笑)よく現れているなと思った。ワンコ系包容力のある田邊に嫉妬しながらも絆されていくイサナ。羣司は魅力的な人で、ほんとかっこよかった。ずっと出てきて欲しかったけれど、たぶん、生きていたらイサナは秘めたままだっただろう。
拈華に気づき微笑みを返す田邊だからだろな。

エチはたくさんあります。
敬語でやや上から目線で田邊を攻めるイサナ、なかなか可愛いです。それをわかっている田邊、男前👍
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