ギヴン
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ギヴン

キヅナツキ

BLの枠を超えて愛される極上の作品

ネタバレ
2025年11月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ 心が震えて壊れそうになるほどこの漫画に惹きつけられる。いっそ読まなければよかったと思うほどに。
先に言っておきます。死にネタ注意、BLのエロはほぼないと思って良い、みんなが満足のハッピーエンドではない。それでもこの作品に惹かれてやまない。
幼馴染の元カレ(かけがえのない)を自死でなくした受が音楽を通して元カレの想いを抱きながら新しい恋愛や音楽で生きていく過程を描く作品です。
個受けのキャラが嫌、他のカップル多すぎるなど個人的にツボじゃないところはたくさんある。
それでも圧倒的なストーリーと絵と説得力で高評価をつけざる得ない。
特異的な例を挙げれば、ストーリー、作画の高さ、説得力何をとっても天下一品なんだけど、
通常BLって受けへの愛情が漫画が愛される理由になるんだけど、受けが不人気でこんなに攻めが愛されるBLはないと思う。

難点を挙げるとすれば
確かに由紀が死んでから半年そこらで新しい彼氏(立夏)だから、せめて1年くらいは泣き明かしてほしかった。せめてずっとゆきのことを事あるごとに思い出してほしいものです…

好きすぎて愛しすぎて、いっそ自分のものにならないのなら殺してしまいたいと思うほどに人を好きになったことがありますか?
恐らくゆきと真冬はこういう形だったんだろうなと思います。一層惹かれ合い求めあい、別個体だからそれでも一つにはなれなくて傷つけあってしまう。
2人での幸福が見つからないのなら一層ひどく傷つけて傷跡だけでも残したい。
ユキと真冬がかけがえのない二人の繋がりだからこそ、立夏の真冬への愛が深く深く強く感じる。
オルタナティブラブと書いてるけど、ゆきも立夏も真冬には掛け替えのない存在で
2人で見つめ合う愛(ゆきと真冬)
2人で同じ物を見ようとする愛(立夏と真冬)

例えば話し合い1つにとっても
由紀と真冬にとっては、2人は1つで、これまで言わなくとも分かりあえていたことを、言葉を重ねるほどお互いが違う存在ということが分かり、その事実が傷となってしまう。
でも立夏と真冬は最初から分からないことを前提としてるから話し合いは愛情となる。
由紀は真冬の人格そのものの根本で切り離すことはできず、立夏は真冬がゆきを抱えたままこれからを生きる導
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