愛さないといわれましても ~元魔王の伯爵令嬢は生真面目軍人に餌付けをされて幸せになる~(コミック)
ヒロインを好きになってしまう!




ヒロイン(伯爵令嬢アビゲイル)は結婚初夜に夫(候爵次男ジェラルド:ノエル子爵)から「君を愛することはない。」と言い放たれます。しかしヒロインは、ごはんはもらえると聞いて安堵します。安堵するところはソコですか?!といきなりズレていることが発覚するヒロインですが、生家でろくに食事も与えられず、領地経営の仕事はやらされるで、搾取を受けていたと言動から察せられます。
最初に冷たく突き放した夫ですが、ヒロインの不遇を知り、たちまち自分の行動を反省します。そして子供の様な純真さを持つヒロインにすっかり庇護欲を掻き立てられ、小鳥を愛でる様にヒロインを甘やかします。夫は上司から押し付けられた結婚とヒロインの悪評(ふしだら)に反発してしまいましたが、元々は男気のある優しい人柄で、周りでお仕えする使用人達も優しい人ばかり。温かい空気を感じます。
そもそもヒロインが虐げられる発端は「魔物と同じ金色の瞳」で生まれたからです。不当な扱いを受け続けますがヒロインは恨みません。人間は弱い存在だからです。ヒロインの前世はとても強い魔王であり、その記憶を保っていたからです。保っているというより、むしろ感性は魔王のまま、身体は華奢な乙女で中身は魔王というのが実態です。そして魂は純真無垢そのものです。
そして食べ物に対する執着が強い。魔王の時に味わった人間の食物がとても美味であった記憶が生々しく、食事に対する感動が大きい。それが可愛くて餌付けしてしまう夫でした。
ただ魔王の能力を保つヒロインは、その知見が“御神託”並みで、通常では得られない貴重なものとなります。それを何でもない事のように発揮します。子供みたいな未発達さを感じさせる一方で、高い能力も見せ一筋縄ではいかないヒロインです。
現世で搾取され、魔王時代も人間に利用された末に討伐された事が匂わされており、本人は頓着しませんが、一貫して深い孤独を感じさせます。それでいて向けられた温情には素直に懐く純真さ。
夫とその家族、使用人達もいい人ばかり(と言うよりはヒロインがいい面を引き出している)ようやく手に入れた愛情注がれる環境を見守りたい。ほっこりした気持ちになれる作品です。
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