このレビューはネタバレを含みます▼
その男は本心を見せない
張り付けた笑顔に生い立ちを隠し多くを語らない
わりと雑に作られていると思う。(アンチじゃないよ)
タイトルの割に恋愛要素は皆無に近いし
中ボスとも言うべきドニーは、大きいバックグラウンドがあるよと臭わせるだけ臭わせておいて、あっさり途中退場しちゃうし(アンチじゃ・・?)
なにより、リッツランサポートの社員は不死身属性持ってるし笑
けれど、ソン・リャンハという一人の男。
いや。ソン・リャンハと名乗る、暗い生い立ちの、存在の虚しい名無しの男の物語を描いた点において、これ以上はないと思う。
殺し屋カップルと言うけれど、私はこの二人に男女の愛を感じない。
しかし、名無しのリャンハがシャトーに執着し、シャトーの為に命を賭けるのはよく分かる。
シャトーが、二人のリャンハに守られる存在であること、そして、リャンハを殺した記憶を持つ事。
その事が、虚しい名無しのリャンハを、「ソン・リャンハ」たらしめる。
「何もなかった」わけじゃなかった
暴力ではなく、誰かを助けたり、誰かを心配する世界がそこにはあった。
ソバカスのリャンハと、シャトーと過ごした数日間の記憶が、一人の男の魂の拠り所となる──
うーん、ちょっと感傷的で大げさ?
けれど、読者に解釈を委ねる幅がこの作品にはある。
例えばドニー。名無しのリャンハを助けたソバカスのリャンハの善性の起源はドニーにあり、ある意味物語の核心の起点でもある。シャトーの父親リストとの関係など、緻密に描くことはできただろうが、解釈を読者に委ねている。(さっきは雑だと言ったけれど)
「お前 今 何をさせられているのか分かっているのか?」 (7巻車の中でソバカスに)
このセリフに含まれている情報量は少なくない。読者の心に作用し、様々な事を推察させる。
ソバカスのリャンハが、リャンハにとってどんな位置付けなのか。リャンハの気持ちを推測したり、ドニーの人生を想像したり。恋愛要素をどこまで感じるかも、読者によって様々だろう。読者が作品の中で遊ぶ事ができる作品。
こういう漫画が結局の所、一番面白い。
色々と、私の好みを狙い撃ちされた感じで最高でした!!