このレビューはネタバレを含みます▼
ジェットコースターのような読書体験でした。
パトロン関係という一線を引いた二人の距離感が少しずつ、しかし確実に変わっていく過程が本当に丁寧に描かれていて文章から情景や空気感がありありと立ち上がり気付けば一気読みしていました。感情の動きが自然で読んでいて置いていかれる感じが一切なくただただ引き込まれます。
名前や地名のローカライズにも違和感がなく、物語の世界にすっと入り込めた点もとても好印象でした。
(主人公の苗字が三笠なのは舞台の終演後に亮が泰弘へ差し出した傘、一緒にバス停で待っていた時の相合傘、最終巻で車を降りた亮に泰弘がさしてあげた傘…結果的に傘が3本登場するのは意図されているのか…?と読み終わったあともしばらく考えてしまいました)
後悔を抱えたまま待ち続ける泰弘の姿があまりにも刺さりました。
正直、最後にラブラブなお話が来るのではと期待してしまっていたぶん終わり方は少しあっさり感じましたが、この物語としてはここで終わるからこそ美しいのだとも思いました。余韻が強いです。
もし連載版などで外伝があるのならぜひ続きを読みたいです。
とにかくとても面白かったです。
丁寧語攻め、やっぱり最高ですね。激しいラブラブシーンも含めて心からおすすめできる一作です。