軍人婿さんと大根嫁さん
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軍人婿さんと大根嫁さん

コマkoma

主人公ふたりの純真さと原風景の魅力

2025年12月23日
時代も場所も設定が明言されていませんが、とてもリアルな印象を受けます。登場人物が真っ当で健全なので安心して読めました。

【田中花】物語のヒロイン。17歳。農村育ち。ある日、突然訪ねてきた強面(でもイケメン)の軍人とその日のうちに祝言をあげる羽目に。でも夫が役者のような男前だと気付きトキメキます。

【立花誉】ヒロインの夫。27歳。陸軍少尉。都会育ち。士官学校首席卒で戦功もあるエリート。誤報で戦死したと思われた為、異母弟に家督と婚約者を継がれており、農村の田中家への婿入り話を受け入れる。後妻である継母に冷遇されて育った過去を持つ。

【田中忠右衛門】ヒロインの父。私見ですが影の立役者だと受け止めています。田畑を広げ、花をはじめとする姉妹達を育て上げ、それぞれを良縁で娶せました。大黒柱として立派で、村でも尊敬されていると思われます。穏やかで人当たりが良く、孤独を抱える婿(誉さん)を温かく迎え入れます。

終始、日本の原風景の風情が感じられます。それが心地よいのです。花の生き生きとした生命力に魅せられる誉さん。花の判断基準はシンプルで、面倒な駆け引きが必要なタイプではありません。動物や子供達を愛で、勤勉で、料理や裁縫などをきちんと習得している娘さんです。

それに夫に恋をして、いろいろ尽くしてしまうのが、可愛い。それは浴衣を懸命に縫い上げたり、煮物の旨い味付けだったり、居心地よく過ごせるように床を磨き抜いたり。布団を干して夫の帰りを待ちわびたり。そんな日常生活に根ざした細やかな心遣いが、温かいのです。

夫も、ともすれば地味で退屈と受け止めることもあり得る農村生活を、新鮮な感動を伴って受け入れます。機微の分かる人なのです。

ピュアなふたり。このまま閨事なんてあるのかなと思いましたが、心配無用でした。(第19話)

夫婦の成長物語であろうと思われますが、時代設定が大正と推察されているらしく、それならこの先は、暗黒の戦争時代がやってきます。ふたりが悲劇を迎えるところは見たくないですが、どうなるのか心配です。だけど主人公たちふたりなら、苦難も立派に乗り越えて行ける力がありそうです。幸せになって欲しいです。
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