このレビューはネタバレを含みます▼
元はカップルだった二人がそれぞれ家庭の問題を抱える余所者同士として再会し、互助会のように支え合いながら生き延びようとする物語。
不全な親の代わりとなるメンター、恋愛や性愛によらない家族的共同生活、経済的困窮からのシェアハウス暮らしなど、多様な「家族のかたち」を苦しみながら獲得していく様子が描かれる。
一方で早く都会にでた仲間はSNSで晒され互助ネットワークに辿りつけず倒れていく。そこへ「家族外の家族」が救いに向かい、さらに周囲がその救助者を支える。
作中では長い年月の経過が静かに示される。絵柄は少年少女のままだが、実際には長く苦しい時間を耐え抜き、簡単には解決しない現実の中で、頼り、頼られながら生き続けることが描かれる。倒れていくメンバーも何かを形にしてこの世に残していく。ひたひたと時間が流れる物語だった。最終巻まで読んでよかった。