このレビューはネタバレを含みます▼
大正時代の全寮制高校を舞台に、再会した幼馴染二人の心の機微が繊細に描かれた名作です。
当時の社会情勢や身分、価値観といった高い壁に阻まれながらも、抑えきれない想いを抱える二人の姿に胸が締め付けられます。
ゆき林檎先生の描く、凛としていながらも色気を感じさせる絵柄が、この時代のクラシカルな雰囲気と見事に調和しています。単なる恋愛漫画にとどまらず、時の流れや運命に翻弄される重厚な人間ドラマとしても読み応えがありました。
言葉数は決して多くありませんが、だからこそ行間から伝わってくる情熱や切なさが、じわじわと心に深く染み渡ります。読後の余韻が素晴らしく、静かに感動を味わいたい方にぜひ手に取っていただきたい一冊です。