愛蔵版 花咲ける青少年
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愛蔵版 花咲ける青少年

樹なつみ

表題通りの華麗なる世界観!

ネタバレ
2015年8月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ こちらの作品も配信されるのを待つこと2年、やっと配信され、即(「八雲立つ」共々、紙の媒体も所有しているにもかかわらず)購入。学生時代、はまっていました。
こちらは主人公花鹿の花婿探しに絡ませてストーリー展開していきます。少女マンガ的要素も多々含めなかなか素敵なお伽噺的なお話だけではなく、物語の軸とも言える本質を花婿探しで隠して展開していきます。
登場人物は主人公をはじめ、ほとんどが何かしらしがらみを背負って精一杯生きてるからか、それぞれが個性的でとても魅力的な人物像に仕上がっている。各々が花鹿を通してそれぞれと出会い、困難を切り抜け成長していく様は現代の少女マンガとは一味二味違う。個人的にはマハティ陛下のあの美貌と純粋で尊大な気性、立人のずば抜けた冷静な頭脳とビジネス面での冷酷かつ腹黒さ&本来の優しく真面目な部分と花鹿命な所のギャップがまた良く、二人の大ファンだが、それとは別にクインザの生き方が忍耐強く冷静で激しく、己が忠誠を誓った主の為だけに生きる事は壮絶で哀しいが、その行いの良し悪しは別にして実に見事。黎明期を生きる彼らの国家には、早急に膿を出せるやり方が必要な事だとはいえ主の為にここまで信念を貫き、状況が変われば自己犠牲をも厭わぬその姿勢は称賛に値する。(マハティ陛下及びルマティ殿下は勿論だが)クインザなくしてラギネイは語れない存在。本編では書かれていない人々を含む過去の話や後日談も特別編として出版(書籍)されていて、合わせて是非。樹なつみ作品好きのかたには勿論、そうでないかたにもオススメしたい作品です。
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