違国日記
」のレビュー

違国日記

ヤマシタトモコ

言葉では言い表わせない良さがある。

ネタバレ
2026年2月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ 槇生ちゃんは不器用だけど心があたたかい人で非常に人間味があり、魅力的なキャラ。作家だからか、選ぶ言葉が詩的でいちいち刺さる。

朝は高校生ならではの葛藤や何者にもなれない空虚などの不安を抱えていて、それも、分かるなーと。読者側からしても守りたくなるような存在。

朝と槙生ちゃんの関係性が話数を重ねるごとに少しずつ変化していきます。それをとりまく周囲の多様な人たちの心の中まであけすけに、詩的に表現されますが、全員良い人しかいないので、心温まります。平和。

誰しもが一度は感じたことがあるような心の模様がリアルに描かれているので、読者の心も救いにかかってます…

最終巻での「姉さんが大切に思っているあの子を大切に思ってもいいかな?」という槙生ちゃんの心の台詞、朝への想いが溢れて、不器用ながらに伝えるシーン。

「ただ私を愛してるっていえばいい」と涙ながらに答える朝に対して、何度も「それでは足りない」と槙生ちゃん号泣しながら言うシーン……なんて美しいんでしょうか。

最初は「貴女を愛せるかわからない」とバカ正直で、優しい嘘すらもつきたくない誠実な槙生ちゃんだからこそ、心からの信じられる台詞になっていて素晴らしいです。

最後の槙生ちゃんが書いた「夜明けよ」の詩…… 夜明け=朝。まるで、朝の母が日記に書いていたことを槙生ちゃんが自分の思いと合わせて、朝に届けられたようでとても良かったです。

母娘ではないですが、母娘の愛。気持ちの良い読了感でした。
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