このレビューはネタバレを含みます▼
まずは雰囲気のあるタイトルと絵の綺麗さから入り、試し読みでグッと惹かれて読みましたが、4巻を一気に読み終える面白さで大正解でした。
1巻を読み始めた時は、単に儀式的な何かがある事しか予想していなかったけど、思った以上に闇が深いし大事でドキドキしました。
何せ絵が綺麗(過ぎる程)なので、イケメン紀人は眼福で目力の破壊力にクラクラしたりと文句なしなのですが、同時に人の内なる醜悪さ・禍々しさを表現させたら天下一品で…特に里江の目がもの凄く怖かったです。瞳に何も映していない真っ暗な目も、虚に見える灰色の目も恐ろしい迫力がありました。
2巻では、慶臣と三輪の役割と複雑な共生関係が明るみになり、不仲に見えていた二人が実は互いを思いやっていたことが分かります。兄弟どちらの苦しみも計り知れないものがあるけど、特に三輪は外界から隔離されて育てられたからか純粋無垢な性格です。そんな兄弟を己の捻じ曲がった願望を満たす為だけに利用し罪を重ねさせた里江、彼女だけは絶対に許してはならないと思いました。最後まで回復した姿を見られなかった三輪のその後が気になる終わり方でした。
3巻は2巻のラストからの続きです。三輪の回復を期待していましたが、全くそのような兆候も見られないまま…新たな事件に巻き込まれてしまって、こちらまで若干パニックになりました。
普通の双子(紀人と慎仁)よりも精神的に深く繋がっているように見える慶臣と三輪。慶臣が夢で見た三輪の思考を頼りに捜索しますが、何とも不思議な言い伝えのある土地へ行き、そこがまた嫌〜な感じの事件が隠れていそうな雰囲気でゾワッとしました。
4巻でやっと三輪の意識が戻り、生きる決意をしてくれて良かったです。でも、まさか三輪に生きる力を与えたのが、双子の兄でも事件解決に貢献した紀人でもなく、一番地味で目立たなかった慎仁だったのは驚きました。
また、その時のセリフが素晴らしく秀逸でした。何となく人を生に導く究極の状態…YESかNO・白か黒かって時って、「YES」か「白」つまり肯定的なもの、人聞きの良いものを選びたくなると思うんです。
そこで「Idon't know.」「グレー」と言える勇気はいか程でしょう。何もかもを引き受ける覚悟がないと、とてもじゃないけど口にはできないと思いました。私は、4巻を通じて最大の見せ場は、慎仁のあのシーンだと思います。