婚約者は、私の妹に恋をする
」のレビュー

婚約者は、私の妹に恋をする

ましろ/はなぶさ/宵マチ

一気読み推奨

ネタバレ
2026年3月20日
このレビューはネタバレを含みます▼ 監獄にいるかのような人生と死に戻りを繰り返す鬱々としたストーリー。どこを切り取っても明るい要素が見当たらない。
最初からずっと主人公が不幸すぎるし痛ましい最期ばかり見せられるし、繊細な絵柄も相まってずっと鬱モノローグという名のポエム集を読まされてるような感じ。主人公が「どうして…(絶望)」となる度に読者も「どうして…(血涙)」となります。
どれだけ同じ轍を踏まないように気をつけようと最後は人ならざる大きな力に導かれるかのように「イリアの死」という結末に収束する。そのような繰り返しの中、時系列も各キャラの認識もバラバラであることを考慮した上で、道筋がわからないまま散らばった記憶のピース(ヒント)を地道に拾い集める作業をしていく作品なので、心に余力がないとしんどいと思います。
とりあえず読んでいて何か少しでも気になる要素があった方はターニングポイントとなる5巻辺りまで頑張って読んでみてください(遠いな…)。ただようやく話が一気に動いたところでずっと謎だったカラス視点の話が始まったのでこれはむしろ完結してから一気に読んだ方が楽しめる作品かもしれません。
一応言っておくとこの作品は(6巻時点で)謎の力による影響は別として人間の弱さやエゴについてただありのままを描いている(そしてそれを断ずるわけではない)し、あるはずだった未来を理不尽に奪われた人は割を食ったままという感じなので、過ちを犯したキャラクターは相応の報いを受けないと気が済まないタイプの方にはこの作品はおすすめしません。
かなり人を選ぶ作品かと思いますが、ここまでくるとどう風呂敷を畳むのか気になりすぎるので最後まで見届けたいと思います。
いいねしたユーザ2人
レビューをシェアしよう!