隙間
」のレビュー

隙間

高妍

その隙間は どこにあるのだろう

ネタバレ
2026年3月26日
このレビューはネタバレを含みます▼ その隙間がどこにあるのか、明示はされない。同時にここにはさまざまな隙間が描かれている。社会学者のエリック・オリン・ライトという人が「隙間(インターティシャル)」での実践の大切さを説いているという話を聞いた。メインストリームの金銭価値が支配する社会の隙間でケアの論理に基づく組織(協同組合、コモンズなど)を増殖させ、旧システムが機能不全に陥った際に、それが「唯一生き残れるインフラ」として機能するように準備するという話らしい。この漫画でも、そんな隙間を垣間見ることは出来るが、描かれているのは、そのように肯定的な隙間だけではない。大好きだけど不実な人との間の隙間が、この物語を通して静かに響いている。しかし、ここで主に描かれるのは台湾と沖縄の虐げられたものたちの歴史。その歴史の大きな物語と主人公やその周りの人たちの淡い物語が交錯し、不思議な空間がここにある。その空間を隙間と呼んでもいいのかもしれない。
いいねしたユーザ1人
レビューをシェアしよう!