おかえり水平線
」のレビュー

おかえり水平線

渡部大羊

なんかいいなぁ

ネタバレ
2026年4月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ 新刊一覧で目に留まって、レビューもいいので読んでみました。

ひねりのないレビュータイトルだけど、しみじみと「なんかいいなぁ」と感じる作品です。

主人公にその気は無いけど誰かの心のもやもやを解してしまうところは、「ミステリーというなかれ」をちょっと思い浮かべてしまいました。

こちらの主人公遼馬は高校生男子で、思惑とか含まず思ったことをストレートに言ってしまうけども、無神経に言いたい放題してるわけではない。クラスメイトともあんまり関わろうとはしてなくても人のことはよく見てるし、本人に自覚は無くても、彼の祖父と似た懐の広さみたいなものがあると思う。
厚く垂れ込めた曇天でふと雲の切れ間から青空を見つけたみたいな、先の見えない道を自転車で走り抜けたら視界が開けて海があったみたいな、泣きたくなるような気持ちになった時に主人公や主人公と祖父が営む銭湯があるわけですよ。そりゃ落ちますがな。

2巻では、昔病弱だった為に両親が自分ばかりに関心向けていて兄を傷つけたと後悔やら何やらを抱えていたクラスメイトが主人公に絡んできてハラハラしましたが、それも今のお兄さんと向き合えて解決してほっとしました。
お兄さん、両親のこと悪い人では無いって言ってたけど、脚本書いてたこと(受賞もしてる)もさっぱり覚えてないし、断捨離とか言ってお兄さんの部屋の物を丸っと片付けてしまう無関心さを見ると、心情的にはお兄さんの親とは言えない気がするなぁ。行きたい学校には行かせてくれていても、金出してるだけっつーか。子供に対して無関心な親も、子供を傷つけてるという面ではDV親と変わらんと思う。

3巻ではまた気になる展開になってるけど、玲臣一人で抱え込まずに主人公とじいちゃんに話してみたらいいんじゃないかと思う。写真が写真だけに躊躇うのはわかるけど。一人で思い悩んで出ていく方が、2人とも悲しむし傷つくと思うなぁ。

遼馬と玲臣と秋野さんが今や身内みたいな(遼馬と玲臣は異母兄弟だけども)絆があるのもいいなぁと思います。
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