式神の名は、鬼
」のレビュー

式神の名は、鬼

夜光花/笠井あゆみ

櫂と羅刹の関係性がすごく良い

ネタバレ
2026年4月16日
このレビューはネタバレを含みます▼ 夜光花先生の作品の中で一番好きかもしれない…読み終わっちゃった……()という虚無感が押し寄せてきている。ずっとこの物語を読んでいたかった。
最後まで読むとわかるけど、やっぱり櫂は寿命の刻限がどんどんと近づいていっているのもあって、捨て鉢なところがあったな、と。そんな何百年も封じられていた鬼を使役してボディガードにしちゃおう!って思うあたり相当というか。ラストの雪さんとソウタがナツミに連れられていって、がらんとした家で寂しくて泣いているのと同一人物とは思えん。羅刹も最初から櫂に寄り添っていてくれていたわけではないから常に気を張っていたし、頼りにできる人が本当にいなかったんだと思った。ジクウさんが良い人でよかった…本当に。
最後のあたり、巷を騒がせている鬼が伊織かもしれないとは考えたくなくて思考放棄してる櫂見ていられなかったよ。伊織は本当に残念というか…やっぱり櫂に深入りしたことが原因でもあると思うんだよね。間接的に。でも、人が死ぬのをもう一度見たいという思いはずっと抱えていたはずだからいずれは比丘尼に目をかけられたのだろうか。
序盤の榎本家お抱え陰陽師として怪異を解決する、そういうお話ももっと何個も読みたかった!長尺でじっくり何話もやってほしかったわ!ほのぼのパートね!羅刹は下界のこと何にも知らなくて、でも知性はある。段々と櫂と心も通わせるようになる。人間だったらめちゃくちゃタイプな男だと思っている櫂もいい。
羅刹、めちゃくちゃ良かった…ガタイもいいし、強いし、最初は櫂を殺して自由になるって言ってたのに、最後には縛りが解けても側から離れないでいてくれていたとわかったシーンはめちゃくちゃジーンときた。コイツら好きとか言い合わないけど、めちゃくちゃラブラブなんだよな。すぐ家の中でひっつこうとするし。櫂の体調を気にして手を出さない羅刹とか可愛すぎる…蔵の中で用心籠のなかで寝ているという設定もかわいい。でっけぇ赤ちゃんベッドか?
何より人間が好きなんだと言った櫂を尊重する羅刹は本当に良いよ。一生一緒に添い遂げるチャンスだったのに。
このお話3巻で終わってる分、めちゃくちゃ展開スムーズで登場人物たちも全員魅力的で、無駄がない。櫂のうじじ虫なところがちょっと…という人はいそうだけど、わたしは夜光花先生がさらに一段と好きになったそんなお話ですね。
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