【単話】公爵家の長女でした
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【単話】公爵家の長女でした

彩川ぬるぴょ/鈴音さや/たむ

綺麗な作画と凝った進行

2026年4月17日
異世界転生作品なのですがなかなか趣向が凝っています。
転生前の自分を「“私”」で表現してあって、現在進行形の公爵令嬢を「私」と表記。
その違いを踏まえながら前世と今世を振り返りながらの進行です。

婚約破棄からの生家での報われなかった生い立ちは、嫌われたくない認められたい思いが、全てを飲み込む都合のいい傀儡のような令嬢として捉えられていて、主人公を俯かせ自信を奪い取るには充分な環境だった。
今世のこの状況は、まぁ、幾つかの他の作品にも見られがちな進行ではありますが、前世の記憶を思い出し、回想の中での、その家庭でのエピソードは理不尽で、「お姉ちゃん」と呼ぶ母親の身勝手さに怒りを覚えると共に、今世の母親と前世の母親の、妹との扱いの違いは姉妹に亀裂を生むのだろうに・・・などと考えながら、ふたつの物語を読んでいる感じでした。

もう先が気になりWEB版は読み切ってきました。
現在第一部の完結との事で、その後のお話は続くようです。
書籍の方は大幅な加筆との事で、お話の前後や内容の膨らませ方などが違ってくるのでしょう。
沢山の作品を読んで、世界観の中で、帝国と王国の違いや関係性なども理解してきましたが、
本作は、主人公の父公爵や王国の国王が、物語冒頭では間違った裁量をしてしまってはいても、まるでおバカな宗主では無く、それぞれの立場で物事が考えられる人物だったのは、中々奥の深さを感じました。

絵師さまも綺麗な作画で読みやすい進行です。
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