このレビューはネタバレを含みます▼
親子、兄弟姉妹、友情、恋愛、環境、社会ーーー関わる中で生まれた消化しきれない感情が多彩に描かれている。
アニメを先に見てて話の内容は既に分かってたんだけど、笠町が自身の母親について「育てることと愛することは別のところにあった気がする」と語った言葉がとても腑に落ちた。作品全体ではそれほど重要なエピソードではなくサラッと流されてるけど、私にはこのセリフがコミックを読む動機づけになった気がする。
様々な属性の人が登場しているので、誰が読んでも「これは私が感じてたことだ」と思える言葉が一つは見つかるんじゃないかな。
もう一つ、ずっと引っかかってたのは朝のお父さんの不可解さ。結局お父さんについてはハッキリしたことは分からず仕舞いだったけど、それがまた現実的。
その上で敢えて推しはかるとすれば、お父さんは槙生みたいに自分の価値に自信がなくて人との距離に苦しさを感じる人だったのかなと、読み終わってしばらくしてから思った。槙生みたいに苛烈な言葉で抗う手段は彼には無く、衝突しない処世術しかなかった為に、事実婚と家庭内での透明人間化が耐えられるギリギリのラインだったのかもと。もやもやするけど、勝手な想像で落ち着かせることにした。
槙生と笠町は新婚期間終わった夫婦みたいなもんだよねw 槙生の精神衛生上、友情+オプションの関係でいいんだけど。好事家笠町がいい距離感を保ちながらずっと隣にいる未来しか見えない😆
しかしこの作者は、詩人か小説家なのかな?絵も描けて文章も書けてズルい!!と朝が言いそうなくらい豊かな感受性と表現力、それを支える構成力に感服です。過去の何気ない場面が一瞬でコラージュのように心の中を覆って、目の前の出来事とリンクして心を乱すことって現実でもよくありますよね〜。大体が辛い事だけど。
全巻無料で最後まで読めて良かったです。
そして、朝の( ゚д゚)ぽかーん顔、お気に入りでした。