カフネ
」のレビュー

カフネ

阿部暁子

後悔と再生。

ネタバレ
2026年5月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ 主人公の薫子が、弟を失ったことをきっかけに、その死を向き合い、弟にかかわった人々との関係をもちつつ、心身ともに復活していくお話です。
とにかく、まるで死をわかっていての遺言やプレゼント。
ただでさえ悲しいのに、弟の恋人に遺言をもとに遺産を渡す契約から、物語は動きだします。
人の側面は、一つではないし、人によってかわりはするけど、根本は同じなのかも。
自分の知らない弟の秘密。だからこそ、どうして死んでしまったのか。
食事を通して、弟の恋人せつなと距離を縮めていく中、もとの自分を取り戻す薫子。
もとに戻った薫子はさらに強気なお姉さん、生意気な小娘せつなを幸せにしたい。何かあったときは自分がそばにいたい。
赤の他人ではあるけれど、同情でもなく、だからこそのラストなのでしょう。
予想もつかない展開に、あっというまに読んでしまいました。
薫子にとっての戦闘服、せつなにとってのおにぎり。形は違うけど、自分を元気にするもの。
ぜひ、興味があったら読んでほしい作品です。
いいねしたユーザ1人
レビューをシェアしよう!