凪のお暇
」のレビュー

凪のお暇

コナリミサト

断ち切れない苦しみの物語

ネタバレ
2026年5月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ 全巻無料で10巻で時間切れ…残念😢かなり前にドラマになっていた時に観ていたので読んでみた。

凪を軽視し支配的な元カレ我聞、人たらしのモテ男のゴン、芯のある隣の母娘、自分の好きを楽しむ上階の老婆、気さくなスナックのママ達と常連客。そういった人との関わりの中で、恋や自立心、勇気と思いやりに気づかされる。前に進んだり迷走したりしながら、周りに合わせて心をすり減らしていた過去の自分を見つめ直す話。そんな凪が去った後にもたらした空白が我聞とゴンにも影響を与えていく。

途中までしか読んでないけど、きっとこのどちらかと元鞘なんだよね?この2人を足して2で割ったような第三者が出てきて凪を攫っていって欲しいな…。
この2人、改心すると一時的に誓ったとしても、自分を守るために心に染み込こんでしまったものを変えられないでしょ?2人ともその処世術で社会を他の人よりも遥かに優位に渡れてきた訳だし。全てに行き詰まって捨てるしか楽になる方向がなかった凪とは深刻さが根本的に違うと思う。
それでもどーしてもどちらか選ばなければいけないなら我聞の方かな。少なくとも客観的に自分を見て修正する能力はある。生活力もある。ゴンの方はまっすぐな気持ちをくれるけど、それだけ。結局おんぶに抱っこしないと生活が回らなくなりそうだし、無意識に人をたらし続けてしまうからモヤモヤもしそう。

同じくらいモヤっとしたのは円ちゃん。真面目でいい子だけど確かに問題大アリ。言うべき時に必要な事を言わないで、言うべきでない時に不要な一言を言ってしまう。無意識に自分が有利になる方を選択しちゃってるんだよね。傍にいたら自分の全部を養分にされそうで、そりゃ人離れるわ。

そして本題の凪と母親との関係。祖母と母親の関係。三代にわたる喪失と忍従の歴史が重い。それぞれに若い頃があって夢を追って恋に破れて、狭いコミュニティで傷を隠して、なけなしの自尊心がこれ以上壊れないように気を張って過ごす日々。
そこから抜け出した凪が、母親のためにまた故郷に戻って奮闘するのを見てると胸がチリッとする。本当に東京に戻れるのか心配になる。

主人公だけでなく脇キャラの人生や価値観も多角的にしっかり描かれていて、1冊の密度が濃い。幸せを求めて精一杯に手を伸ばしている凪が、本当に心穏やかに過ごせる場所に辿りつけますように。
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