悪夢令嬢は一家滅亡の夢を見た ~私の目的は生き延びることです~
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悪夢令嬢は一家滅亡の夢を見た ~私の目的は生き延びることです~

近衛悠/大菊小菊/泉乃せん

妙な絶対王権

ネタバレ
2026年5月14日
このレビューはネタバレを含みます▼ 最終巻まで。
一気に読んでしまった、総評面白かったです。
絵は他レビューでも指摘されている通り太いというか荒いというか。表紙の印象で表紙をめくると「なんか違うな?」という印象になります。唯一美形として認識できるのは弟のセリオンくらいなんですけど、彼は表情が苛烈で笑。
内容はいつもの巻き戻り主人公の悲劇的未来を回避するために頑張るパターン。だったはずが政治色がてんこ盛りでロマンス引いた感じ。政治色が強くなるためか、2巻末で姉が投獄後からは弟が主人公ポジションになります。
めちゃくちゃ乱暴なことを言うと「それっぽく書かれているから壮大な政治劇が完結したように見える」ので、満足感はあります。
それっぽく、と乱暴に言うのは政治劇としてみるとめちゃくちゃ突っ込みが多いからです。
王子のご意向を汲んで最高位貴族を証拠なしに収監するのに、王族が働きかけても独立した権力を持つ司法。情報の遅すぎる祖父。公爵令嬢が男爵令嬢にかすり傷を負わせて一か月以上幽閉されて何も思うところがない貴族社会。王子の寵愛がある男爵令嬢を重んじて公爵令嬢を収監なんて大鉈、貴族社会で無風なわけないじゃないですか??それで納得するほど王権が強いのか?いや司法一つ動かせない弱さなんだよな……。国家反逆罪も一家滅亡毒杯じゃなかったの?公爵家陥れる策を練ってまでした方が重罪じゃないの?死人なし廃爵で済んでるよ!?などなどなど…
最後、満足感はあると書きましたが、王子との芽が残るのだけは胸糞悪かったです。
弟が反訴するまでの行動全てで、その後どう振舞ったかを帳消しにできるほど不愉快さの塊です。浅慮過ぎて逆に何の意図もなかったの!?と読み進めていくうちに驚愕するほど。常に安全地帯から表情だけ苦しそうにしているだけ。結局王子は何も身を切らず、自分が傷つけたと解っているのにほしいと思ったものは欲しいからと取りに行く。弟の度が過ぎたシスコンのほうが万倍マシに見えるほどです。
あと途中から視点主が弟になってしまったので、聖人度マシマシにされた姉の態度がなんだか積み上げられた悲劇に対してカタルシスがたりないなぁと少々消化不良になりました。せめて末弟は隠されて生きていたとかだったら(遺体を確認されてなかったので)、耐え忍んだ甲斐があったと思えたのになぁ…。
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