夜明けの唄【単行本版】
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夜明けの唄【単行本版】

ユノイチカ

1.2巻からは想像できない展開

ネタバレ
2026年6月25日
このレビューはネタバレを含みます▼ 7巻まで一気に読みました。ネタバレしまくりです。

「ファンタジーのままでよかった」「途中から迷走している」という感想も見かけますが、私はむしろ物語が進むにつれてどんどん引き込まれました。ただし、1〜2巻を発売当初から追って、純粋なファンタジー作品として読んでいた方がモヤッとする気持ちもわかります。
一気読みしたからこそかもしれませんが、私はこの展開が本当にとても面白かったです。最初は島独自の風習があるちょっとダークみがあるけど結局ほのぼのファンタジ〜な世界の話だと思って読んでいたのが、読み進めるうちに実は私たちの生きる現代社会と…という展開がわかった瞬間に作品の見え方が一変しました。
私はなろう系も好きなのですが、ファンタジーと現代社会の要素が混ざる作品は珍しくありません。しかし、本作のように完全なファンタジー作品だと思わせておきながら、実は現代社会の…という展開はあまり見たことがなく、とても新鮮でした。
読んでいる間の感情としてはいわゆる「キュン」とするドキドキもありますが、それより未知の真実に近づいていくようなドキドキ感の方が強かったです。ファンタジー特有の設定だと思っていた島の風習、隠された秘密が少しずつ明らかになる過程に夢中になりました。
個人的には、作中で描かれる「閉ざされた島の中で権力者たちが弱者(こども)を搾取し、その事実が長年隠蔽されてきたこと」や、「それを暴こうとする人によって情報が拡散される一方で、真実とデマが入り混じって陰謀論として社会に広がっていくこと、そしてその後の混乱」という構図に、エプスタイン島事件を連想しました。もちろん内容そのものが同じというわけではありませんが。
肌色での差別(レティ)、人権は誰にでもあるのか、親が悪だとその子も同じ悪なのか、現代人の同性愛に対する反応、権力構造など、社会的なテーマについて触れている作品でもあり、もちろんBL作品としても、一つの物語として非常に読み応えがあります。
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