傍観者の恋【単話売】
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傍観者の恋【単話売】

吉田了/ナツ/あき

まるでクラシック

ネタバレ
2026年7月8日
このレビューはネタバレを含みます▼ こちらへはコミック全巻読了後、特別編の為に参りました。
例えば、100年以上も読み継がれている“赤◯のアン“のような『名作文学』を思わせる壮大な読後感。
コミックで無料分を読み、迷いなく全巻購入。途中で止まる事が出来ず、急かされるように読みました。心情描写が素晴らしく、時にはレイチェルの、ノアの、アリシアの中に入った様になり、登場人物と共に同苦する。壮大な愛情の物語です。
レイチェルの罪の意識と僅かな悦び。それを上回るように襲いかかる苦しみと後悔を読み続けていると、告解室で密かに吐露される人間の暗い内側を見ているような気持ちになります。途中(かなり早い段階から)ノアの気持ちはレイチェルに向かっているのではと思わせる描写が幾つも出てきて、その度にレイチェルと共に一喜一憂してしまい、ノア視点に変わった所から“やっぱり“とか、そうだったのか、と胸が一杯になります。三者三様の恋と愛の三角形は、互いを支え寄りかかりながら続いていく。アリシアの想いが恋なのか親愛なのかの境目は誰にも分かりませんが、彼女の最期が幸せなものであった事に心から安堵しました。と同時に、レイチェルの悲しみと喪失感が夜の場面を見るだけでわかります。そこには罪悪感を凌駕するほどの深い愛情があったのだと。
二人になってしまった後のすれ違いと、別れを覚悟する二人を読む時は呼吸が浅くなっていたように感じます。あの憎らしい義兄が居てくれて良かった。あのかつての敵であった令嬢すらも。この優しい物語の中にはどうしようもなく悪い人間は何処にも居ませんでした。
「傍観者」でありながら、視点が変われば誰しもが当事者なのである。最後に心から笑えた二人が見られて幸せでした。
そしてオースティンも傍観者の一人であったと。誰よりも深く大きく、俯瞰で見ていた聡い人。レイチェルの恋心にも、ノアの中に芽生えた無意識の好意にも、たった一人気付いていたからこそ「意地悪」という名の優しいお節介をやいたのです。彼の笑顔は本当に優しかった。レイチェルは最初から彼の「お気に入り」であった事にも切なくなりました。
素晴らしい物語を有難うございました。
追記/特別版は、新婚の二人の、レイチェル目線なのに特にノアのしあわせな様子が見て取れて、それが如何に大きく得難いものであったかと。オースティンとのやり取りも見られて貴重でしたよ♡
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