道端葉のいる世界
」のレビュー

道端葉のいる世界

村野真朱/文川和海

よい本が出た!

ネタバレ
2026年7月9日
このレビューはネタバレを含みます▼ これは素敵な作品ですね。
ノンバイナリーが主人公になる作品は少ない。
そして、哲学をメインとした様々な考え方を作品だけでなく、三木先生の解説を入れながら進める丁寧さ。

ノンバイナリーの話をしていたとき、ある学生が「まるでわからない」と言っていたことがあった。その中で、男女二元論で語られる話に、聞いていて辛いと泣き出す人もいた。トランスジェンダーを「思い込み」「そうなりたいにすぎない」と切り捨てた人がいた。
高羅くんの対応もわからなくはない。ある差別的な表現をみたときに、差別だとわかる人はいるが、自分がしていることには気づきにくい。アンコンシャスバイアスに、自身の何を疑えばよいのかもわからないと言う人は多い。
「おっパン」を観たときに、「周りにゲイがいないからわからない」と言った人もいた。隣にいるかもしれないとは考えない。LGBTQ+が社会的に許容されてきているという昨今、なぜ「許容」なのかは問われない。マジョリティはマジョリティの世界を疑わない節がある。マイノリティがあって、初めてマジョリティになるのだけれど。

葉を通して広がる世界に、エッセンスがあるように感じる。考えることを放棄しないあり方に、胸を打たれる。
大切にしていきたい作品だなと感じた。
次巻も楽しみにしています!
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