このレビューはネタバレを含みます▼
Eros度★★★★★
おやおや。愛しているからこそ離れることを選んだ瑞稀と、愛されていたはずなのに捨てられたと傷ついた颯太。二人の恋は、別れた瞬間に終わったのではなく、それぞれの胸の中で形を変えながら続いていたのだと感じさせられる作品です。
特に印象的なのは、高校時代の颯太と再会後の颯太の鮮やかな対比。太陽のように明るかった青年が、「瑞稀に復讐するために帰ってきた」と冷たく告げる姿には、その裏側にどれほど深い傷を抱えているのかと胸を掴まれます。
一方の瑞稀も、颯太の未来を想って身を引いたからこそ、その決断の重さを抱え続けています。二人とも相手を想っていたはずなのに、その優しさがすれ違いを生んでしまったところが切ない。「久我の家か瑞稀を選ぶんなら俺は瑞稀を選ぶ」という言葉からも、颯太の一途な愛の深さが伝わってきました。
再会後の危うい関係も、未練や執着、抑えきれない想いが滲むからこそ色気があります。濡れ場も身体だけの繋がりではなく、心の距離まで映し出すような描写が魅力的。
過去の甘さと現在の苦さ。その間に横たわる二人の傷を丁寧に描いた、心情重視の再会愛でした。