プラスティック・ユー【電子限定描き下ろし漫画付き】【コミックス版】
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プラスティック・ユー【電子限定描き下ろし漫画付き】【コミックス版】

横山よ紗

事実の裏にある真実

ネタバレ
2026年8月14日
このレビューはネタバレを含みます▼ 前作の明日に〜を読んでいて、透明感のある画とストーリーが印象に残っていた作家様。こちらの単話の表紙絵がなぜか鮮明に頭に残っていて、纏ったら読もう!と思っていました。今回は少し重めのストーリーでしたが、時折クスッと笑えるところもあり、綺麗にストーリーを纏められていて、とてもよかったです。そして、やはり画が透明感があって好きです。
幼少期に辛い過去を持つ攻めの拓実と、四面楚歌の中、必死で生きている受けの充。偶然が運命か…因縁のある2人が、たまたまアパートの隣同士になり、複雑な関係がどんどん絡まっていきます。充に対し、御曹司でなに不自由なく生きてきたと思っていてる拓実は、過去の出来事から、充を通して充の会社や父親に対して復讐を目論む。でも、拓実は充と深く接すれば接するほど、充の抱えるものや孤独、脆さ、寂しさを知り、憎悪が愛憎、そして愛情へと変わっていく。このストーリーの中で要となる充の父親は、拓実からは大切なものを失った原因として憎まれ、充からは自分と母親を捨てたのに、今更、身代わりとしていいように利用されていると、嫌悪感を持たれてる悪人ポジション。でも、事実はひとつだけど真実は人の数だけあるわけで。拓実は充の父親を憎むけど、両親の会社は実際にはもしかして充の父親に救われていて、あの出来事は偶然の事故だったかもしれないし、充の母親との過去も事実はお互いに非があっての現在だったのかもしれない。真実はそれぞれにあるから、正解は分からない。いなくなった人の真実は想像するしかなくて、そこにあるのは事実だけ。遅くはなったけど、拓実は充に出会って、やっとそこに向き合えたのかもな…と。充も、親に恵まれず、四面楚歌の状況を自分で作り上げていたけど、拓実と出会って心の中の重たい荷物をひとつずつ降ろせたのかも。親のこと、会社のこと、長岡のこと。充が拓実になによりも優先してもらって喜ぶところ…なんかグッときました。考えると、誰かの1番になること、誰よりも優先してもらえることって、凄いことなんですよね。当たり前じゃない。プラスティックは溶けて形をかえられる。スラングで使われるらしいけど、それは悪いことじゃないですよね。人の憎悪も溶かして、いい形にかえられることを知ったね、拓実。ここからは、拓実の溺愛デレデレ執着に形をかえていくと見ました(笑)
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