「アルテ
」のレビュー

アルテ

大久保圭

女性蔑視と家族愛(父と娘)

ネタバレ
2026年8月31日
このレビューはネタバレを含みます▼ 描きこまれた背景の中を動くアルテを通して、中世の街並みや生活、服装、絵画制作のあれこれを見るのが楽しかったです。フレスコ画制作現場が特に好きなシーン。現場に潜り込んだように感じました。歴史とあまり関係ない所もいい。
中世イタリアの風景の中、アルテとその周りの人々の「生きる」様を見る物語。

女が産まれるとがっかりされる時代。持参金の事を考えれば分からなくもない。でも、
アルテの父はアルテをよく理解した上で、アルテの幸せを考えていたし、
ファリエリ家のユーリは、姪(実は娘)のカタリーナの笑顔の為に動く、超子煩悩男。
レオの師匠は普通とは心の在り方が違う人だけれど、彼なりに娘を愛していた。
女は相続権もなく社会的に地位が低い。けれども見放されているわけでもない。
女性の抑圧だけでなく、そういった、普通の家族愛(父と娘)が描かれている所が良かったです。

全巻無料企画ありがとうございます。
小汚ない、目付きの悪い中年男が恋愛対象なのは希少で有難い♡
レオの過去編で師匠の人生に乗せながら“生きる事に専念”する人間像をみっちりやってからの→疲れた→逆プロポーズの流れは最高でした。
レオとアルテの番外編(できればラブ)が見たいので、続きは買わせていただきますね。

追記 序盤、アルテが髪を切っても男装しないのは、男装がタブーだからです。旧約聖書に男装を禁ずる記載があり、教会によって禁じられた行為でした。
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