聞こえない声
」のレビュー

聞こえない声

京山あつき

青春とユニフォーム

2015年9月7日
扉絵で間違ったかもと思い、冒頭の頭の中の赤裸々な性の声に引き返そうかと迷いましたが、結果最後まで読んで良かった作品でした。最近よく見る、癒しっぽい絵柄でハードな性描写のギャップを狙ったモノかと勘違いしてやめようとしたのです(そういうものが悪いとは思ってません)が、全く違う感じでした。
恋する高校生の、衝動と相手を思う一途な気持ちを、真面目に丁寧に描いています。
かわいいから好きになるのか、好きになったからかわいいと思うのか、
そういう理屈じゃない感情も、また相手に性を意識させられて少しずつ向き合っていく過程も、お互いがそれぞれの立場で2人の関係を大切に思って行動する素直さにも、ジーンと胸に迫るものがありました。
シリーズとのことで今後の展開にも期待していますが、先に進む手前で完結しているこちらだけでも、良い作品に出会えたと思いました。ユニフォームのエロスも、この絵柄でなかなかに伝わってきたと感心しています。
いいねしたユーザ1人
レビューをシェアしよう!